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会長コメント

第63回定時総会後の記者会見(6/6)における会長コメント要旨

【役員改選について】

 

 本日行われた第63回定時総会において理事・監事が選任され、それを踏まえて行われた第174回理事会

において、会長、副会長、および専務理事、常務理事が選任された。

 私が引き続き会長に選任いただいた。2期目も精一杯取り組んでいく所存である。

 理事については、ご異動等により7名が交代、副会長では、平野副会長が退任され、後任として新たに

宮崎銀行の杉田頭取が選任された。また、専務理事には堀江広重氏、常務理事には田中徹氏が選任された。

 九経連は、新たな体制で、引き続き「九州を元気にする」取り組みを行っていく。

 

 

【ツール・ド・九州について】

 

 ツール・ド・九州は単なるスポーツイベントではなく、九州ならではの大自然や九州各地の魅力を国内外に

向けて発信し、熊本地震や朝倉豪雨災害などの復興支援や、進むべき未来像を示すイベントとして開催する。

こうした中、我々が掲げている“Make Kyushu Sustainable”に基づく具体的な取り組みが始まっている。

 一つ目が環境保全の取り組みである。大会はUCI(国際自転車競技連合)の気候変動に対する行動憲章に

いち早くコミットした。大会運営にかかる二酸化炭素の排出量を報告し、カーボンオフセットを実現していく。

 また今回は、大会使用車両の一部に水素自動車等の導入を関係者間で調整しており、脱炭素型の大会運営を

目指していく。

 二つ目は社会貢献の取り組みである。次代を担う人材育成、人への投資という観点から、マイナビと連携を

して、地元の高校生を対象に九州の未来を考えてもらう探求学習プログラムを実施する。これには開催3県の

高校生約600名が参加予定で、地元企業の協力のもと、企業側との意見交換を経て、高校生が考える九州の

未来像を考えてもらい、成果発表会も予定している。若い人の活発な議論、意見をしっかりと聞いていきたい。

 ツール・ド・九州に、更に多くの方に関わっていただき、共感の輪を広げたいと思っており、ここにおられる

報道関係の皆様の更なるご支援をお願いしたい。

 

 

【九州と韓国との経済交流活性化について】

 

 本年3月以降、岸田首相と尹大統領による日韓首脳会談やシャトル外交が再開され、日韓関係が大幅に改善

されている。また5月には、日韓両国の経済界トップなど約240名が参加する「日韓経済人会議」がソウル市で

開催され(九経連からは麻生名誉会長が出席)、経済交流の拡大、相互交流の促進、万国博覧会の成功に向けた

共同声明が採択された。

 九経連としてはこのチャンスを逃さず、日韓の強固な絆を築いていくためにも、関係諸団体と連携し、

九州と韓国との経済交流の活性化について速やかに検討していく。

 

活性化策(例示)

・釜山市の2030年の万博誘致活動を九州から応援

・韓国の高度人材の九州企業への就職支援

・九州企業と韓国企業のサプライチェーンの連携強化

・デジタル技術を活用した九韓のツーリズムの活性化

 

 

【会長2期目に向けて】

(2期目に向けての思い、注力すべきことについて問われ)

 

 まず1期目を振り返ると、コロナ禍のスタートであり、かつ交通事業者から初めての会長ということもあり、

手探り状態で悩みながらやってきたが、皆様からの厚いサポートのお陰で乗り切ることができた。九州活性化に

向け地道に取り組んでいる九経連事務局、九経連の地域委員会の運営を支えていただいている地域委員会事務局、

そして出身である西鉄の事務局に改めて感謝を申し上げる。

 2期目についてだが、九州には大きなフォローの風を感じている。その最たるものが、TSMCの進出を契機と

した九州各地での半導体関連の投資拡大であり、「シリコンアイランド九州」への復活の動きが躍動し始めている。

日本の経済安全保障を九州で支えるという気概で取り組んでいく。

 海外との往来が復活してきたこともあり、海外との交流を強化も重要である。今年は日本ASEAN友好協力50周年

の節目の年でもあり、この機会を捉えASEAN諸国との連携を強化していく。何より韓国との連携強化は千載一遇

のチャンスである。

 また、九州が本当にひとつになって動いていくために、九州の皆様に九経連を知ってもらう取り組みを強化

していく必要がある。九経連が九州の活性化に向かってどのような取り組みをしているのかを理解していただいて、

一緒になって九州を作っていきたい。

 

 

【韓国との交流促進について】

(韓国との交流促進の機会をどのように捉えているか問われ)

 

 ここ数年は政治的に非常に困難な状況であり、コロナもそれに追い打ちをかけた。ただ、そのような状況でも、

経済界同士では毎年リモートではあるが会議を行い、こつこつと連携を続けてきた。こうして培ってきたものを

活かしていく。

 トップ同士のシャトル外交だけでなく、インバウンド、アウトバウンド、企業の連携など、民間レベルでの交流

もひとつひとつ前に進めていく。

 今はまだアイデアレベルではあるが、この1年で成果を出せるように、韓国の方にも九州の存在を理解して

もらえるように取り組んでいく。

 

 

【ツール・ド・九州の意義について】

(ツール・ド・九州を今後継続していく意義について問われ)

 

 ツール・ド・九州は、単なるサイクル競技ではなく、九州がひとつになって盛り上がり、未来に向かっていく

象徴となるイベントである。

 また、環境に配慮した施策によりサステナブルな九州を発信するとともに、次代を担う地元の高校生たちに

九州の未来を考えてもらうプログラムも実施する。

 九州を誇らしく思える、九州に夢を持つことができるようにしていくための土台作りであり、1回で終わるのでは

なく繰り返し行うことよって初めて定着すると考えている。

 

 

【九州の半導体産業について】

(TSMC第2工場の建設決定と九州の半導体産業の発展に関して問われ)

 

 TSMC第2工場建設について詳細を把握していないが、シリコンアイランド九州復活につながる大きな動き

であり歓迎する。

 今後、その復活の鍵となるのは人材である。熊本大学では半導体関連学部の新設が決定、九州の高専では連携

した半導体教育が始まるなど、人材育成の動きが進んでいる。

 汎用半導体から先端半導体の開発、生産に向けて、九州のみならず日本、そして韓国などの海外の人材を結集し、

シリコンアイランド九州の着実な復活を目指す。

 

 

【九州の景況判断について】

(九州・沖縄の金融経済概況(日銀福岡支店)で、九州が全国で最も景気が良い地域であるという判断について

実感を問われ)

 

 実感はある。TSMCを契機とした半導体関連の設備投資が、周辺の住宅などの建設需要も呼び込んでいる。

加えてTSMC第2工場も決定したと聞き、さらに期待しているところである。

 また、韓国からのインバウンドを含めた観光需要の高まりも大きい。西九州新幹線など様々なインフラ整備が、

コロナ禍でも進んできていたことが土台となり、今の状況を迎えられているのではないか。

 

 

【今の時代の経済団体の役割について】

(今の時代における経済団体、いわゆる財界活動の意義や役割について、どのように捉えているかを問われ)

 

 経済団体の歴史を振り返ると、日本が戦後復興するなかで、インフラ整備に対しての陳情要望がスタートだった

のではないか。

 ただし、時代と共にインフラが一定程度整備されつつある中で、日本がどのように成長していくのか、地方は

どうすればいいのかという課題が生じている。地方のあり方について、経団連とは違う視点で九州独自のものも

含めて発信していき、提言だけではなく実践していくことが地域の経済団体の特徴だろうし、存在意義はそこにある

と思っている。業種や規模の大小問わず、スタートアップなどの次代を担う企業も含めて、一緒になって夢を共有

するという意味でも、経済団体の存在意義は大きい。

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