本年6月に閣議決定された「こども未来戦略方針~次元の異なる少子化対策の実現のための
「こども未来戦略」の策定に向けて~」では、持続的な成長を可能とする経済構造を構築する
観点から「成長と分配の好循環」(成長の果実が賃金に分配され、セーフティネット等による
暮らしの安心の下でそれが消費へとつながる)等の実現を目指すこととされています。
中小企業・小規模事業者も含め賃上げしやすい環境の整備に取り組むとともに、フルタイム
労働者だけではなく、短時間労働者にもこのような賃上げの流れを波及させていくためには、
本人の希望に応じて可能な限り労働参加できる環境が重要です。
その中で、社会保険料の負担がない被扶養者の方について、一定以上の収入(106 万円または
130 万円)となった場合に、社会保険料負担の発生や、企業の配偶者手当がもらえなくなる
ことによる手取り収入の減少を理由として就業調整を行う、いわゆる「年収の壁」への対応が
急務となっています。
このため、当面の対応として、本年9月27 日に全世代型社会保障構築本部において、
(1)106 万円の壁への対応(①キャリアアップ助成金のコースの新設②社会保険適用促進
手当の標準報酬算定除外)
(2)130 万円の壁への対応(③事業主の証明による被扶養者認定の円滑化)
(3)配偶者手当への対応(④企業の配偶者手当の見直し促進)
等を内容とする「年収の壁・支援強化パッケージ」が決定されました。
なお、配偶者手当の収入要件については、個別の企業の判断になりますが、健康保険の
被扶養者認定に連動する形で設定している場合、「③事業主の証明による被扶養者認定の円滑化」
を受けた被扶養者認定の取扱いと同様になるものと考えられますので、その旨申し添えます。
「年収の壁・支援強化パッケージ」厚生労働省サイトはこちら