九経連は1961(昭和36)年、石炭から石油へのエネルギー転換や急速な経済成長によって、多くの地域課題が山積する中、「個別企業の枠を越えて、九州を発展させなければならない」という強い危機感から、経団連、関西、中部に次いで全国で4番目の総合経済団体として設立されました。
それ以来、地域経済の発展に向けて、九州自動車道や九州新幹線などの交通基盤整備、自動車や半導体関連産業の集積強化、九州一体となって観光を振興する「九州観光機構」の設立などに取り組んできました。
現在、ウクライナや中東など地政学的な政情不安が企業活動に影響を及ぼしており、資源を海外に委ねるわが国では、円安も相まって物価上昇が続いています。
さらには、人口減少や担い手不足といった構造的課題も深刻化し、DXやGX への取り組みが急がれる中で、とりわけAI の急速な進展により、企業をはじめ社会全体が大きな転換期を迎えています。
こうした社会経済情勢のもとでは、これまでの常識や枠組みを越えた制度改革や連携協力が重要であり、産学官が一丸となって課題解決に取り組んでいかなければなりません。
2025 年6 月に会長を拝命して1 年が経ち、まずは、九州の立ち位置を確認するため、域内各地を巡って会員の声を聞く一方で、九州地域戦略会議等を通じて、行政や経済団体とも意見交換を行いながら、地域課題の把握に努めてきました。
今年度は、「九州将来ビジョン2030」の第2 期中期事業計画(2024~2026年度)の最終年度であり、これまでの取り組みを総括し、次の中期計画に向けて課題を整理していかなければなりません。
具体的には、AIの急速な進展を背景とした社会変革を注視しつつ、半導体や農林水産業といった九州の強みを成長エンジンに、広域連携を図りながら地域経済を牽引してまいります。
また、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みや、次代を担う「人への投資」を強力に推し進めるとともに、「ツール・ド・九州」や「九州MaaS」のさらなる拡充、デジタルを活用した災害対策の高度化など、ハード・ソフト両面のインフラ整備を推進することで、若者や女性から選ばれる魅力的な地域づくりを目指してまいります。
「まとまりの良さ」を武器に、九州の力を結集して着実に成果を出していくことで、成長と分配の好循環につなげます。また、地域の魅力が高まることで、自ずと人が集まってくるといった地方創生の新たなモデルの確立に向けて、九経連ならではの共創事業を力強く推進してまいります。
皆様には今後とも変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
一般社団法人 九州経済連合会 会長
池辺 和弘
本会は、1961(昭和36)年の創立以来、「九州はひとつ」の理念のもとに、地域経済の活性化を目指し、地域一体となった活動を展開してまいりました。
2021年の創立60周年を機に策定した「九州将来ビジョン2030」では、“経済の成長と生産性向上”と併せて、心の豊かさを成長につなぐ“幸せコミュニティ”を未来のありたい姿として打ち出しています。地域経済を活性化させるとともに、暮らしやすさを高め<共生>、さまざまな人から選ばれる地域を目指します<共感>。これにより、多様な人材がイノベーションを起こすことで新たな価値が生まれ<共創>、地域の魅力が高まり、さらに人が集まって経済成長を加速させるような地方創生の新たな好循環モデルの確立を目指します。『共生・共感・共創アイランド九州』の実現に向けて、九州の強みを活かし、未来を拓く取り組みに挑戦しています。
本会活動を推進する中核体は委員会です。「行動し実践する九経連」として、各種プロジェクトを企画立案し具体化するとともに、関連団体との連携を強化し、海外との経済交流事業や、各種の提言・要望活動等を実施しています。
コロナ禍を経て、旺盛なインバウンド需要や、半導体関連産業の活発な投資など、九州を取り巻く環境は大きく変化しています。2024年度は、ビジョン実現に向けた第2期中期事業計画(2024~2026年度)の初年度にあたり、こうした社会経済情勢を的確に捉えながら、九州全体で取り組むべき重点施策をアクションプランに落とし込み、産学官民による連携のもと、「九州から日本を動かす」気概を持って着実に活動を展開いたします。
また、九州地方知事会と地元経済4団体で構成する「九州地域戦略会議」は、九州地域の自立的発展を担うプラットフォームとしてその役割を果たしており、九州の総意をもって政府をはじめ関係機関に対する政策提言や実践活動を推進しています。
明るく豊かで住みやすい九州を目指すとともに、「新生シリコンアイランド九州」ならびに「フードアイランド九州」の実現など、九州のポテンシャルを最大限に活かしながら、わが国の食料、経済安全保障の一翼を担ってまいります。
本会は、産業経済に関する諸問題を調査研究し、九州地方における経済界の意見を取りまとめて、その実現を図り、同地域経済の総合的な振興を通じてわが国経済の発展に寄与することを目的に次の各種事業に取り組んでいます。(定款第3条、4条 1~5号)