新年あけましておめでとうございます。
昨年を振り返りますと、2023年は九州が元気になった一年だったと思います。5月に新型コロナウイルス
感染症の位置付けが5類に引き下げられたことで、インバウンドをはじめ、国内の旅行需要も動き始めたこと
は九州経済を再起動させた最も大きなトリガーの一つでした。また、台湾の世界的半導体メーカー・TSMC
(台湾積体電路製造)の熊本進出を契機とした半導体関連企業の積極的な設備投資が相次いで行われ、全国的
に見ても九 州は特に元気になったと思いますし、全体的にはコロナ前以上の勢いが出てきたと思います。九州
地方知事会と構成している九州地域戦略会議でも、「九州はひとつ」の理念のもと、各県知事が一緒になって
九州を盛り上げていこうという機運がますます高まっています。このような流れの中、産官学金が一丸となって
アクセルを踏み、九州をさらに元気にしていかなければなりません。
そこで、2024年は、「共創」をキーワードに九経連の事業を一層加速させていく一年にしたいと考えます。
まずは、「新生シリコンアイランド九州」の実現に向けた取り組みを本格化させます。将来にわたって日本の
経済安全保障の一翼を担うとともに、世界の産業サプライチェーンの中核を担う半導体製造拠点としての九州
を確立し、存在させ続けるためには、解決すべき課題は非常に多く、多岐にわたります。これこそ、九州の
産官学金の英知と実行力を結集し、「共創」していくこと以外に方法はないと確信しています。今年の前半は
産官学金で全力を挙げてこの「新生シリコンアイランド九州」のグランドデザイン策定にあたります。
次に、九州MaaSです。九州の陸海空の交通機関の輸送サービスの連携と最適化を図りながら、それらを
一つのデジタルプラットフォームでつなぎ、マルチモーダルの経路検索や各種乗車券のデジタル決済など一気
通貫での交通サービスを提供していきます。夏頃の事業開始を目指し、現在、準備は最終段階に入ったところ
です。このプロジェクトは会員企業の交通事業者のみなさん、地域消費の拡大に向けた商業・観光などの交通
以外の事 業者のみなさん、そして地域の交通政策、観光政策を担う行政のみなさんとの「共創」によって初めて
成し得るものです。
また、昨年、第一回大会を開催したツー ル・ド・九州は大成功を収めることができましたが、今年はさらに素晴
らしい国際サイクルロードレースにするために協賛各社や開催各県のみなさんと取り組んでまいります。そのほか
にも海外MOU先との連携を視野に入れた農業分野における九州産品の輸出拡大のオール九州での展開、災害
対策高度化と官民広域連携を目指す防災DX、九州広域データ連携基盤の構築に向けた官民プロジェクトなど、
多くの方々と手を携えて推進していくべき「共創」の事業をしっかりと前に進めてまいる所存です。
今年の春には、2024年度から2026年度までの中期事業計画を取りまとめます。昨年、各地域委員会でいただ
いたご意見を踏まえつつ、九州将来ビジョン2030の実現のための第二ステップである3年間の計画を策定して
いるところです。「共創」による「もっと元気な九州」を創っていきたいと考えておりま すので、本年も会員企業の
皆様のご協力をよろしくお願いいたしまして、新年のごあいさつとさせていただきます。